10/17開催!イベント「誰もが使えるWebコンテンツのつくりかた」

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平成25年6月に制定された「障害者差別解消法」が、平成28年4月から施行されるのはご存知でしょうか? 国連総会本会議で採択された「障害者の権利に関する条約」は、平成27年8月の時点ですでに世界155カ国が批准しています。日本国内でも、可能な限り広い種類の利用者がさまざまな製品や建物やサービスなどを、支障なく利用できるような配慮を求められるようになりました。 これからは、いわゆる「アクセシビリティ」を確保したコンテンツ制作がますます求められるようになります。

今回は、Webサイトやスマートデバイスにおけるアクセシビリティを探求し続けている講師のお二人にご登壇いただき、誰もが使えるコンテンツについて考えます。

※このイベントは、青森県の「ITビジネス道場(Web部門)」の補助金をうけて実施するものです。

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アクセシビリティを確保する基本の「キ」 ~いつやるの?今 “スグ” でしょ!~

これまで「アクセシビリティ」は、障害のある人や高齢の人が使えるようにすることだと捉えられてきましたが、もはやそれだけではありません。Webコンテンツを利用する環境が多様化してきており、特定のデバイスや利用環境に依存することなく、さまざまなシーンで誰もが利用できるようにすることの重要性が高まってきているからです。
このセッションでは、Webコンテンツのアクセシビリティを確保するポイントについて、今すぐ実践できる基本の「キ」を解説します。「アクセシビリティ」というと身構えてしまう人が少なくないようですが、実は意外と特別なことをする必要があるわけではないことがお分かりいただけるはずです。

植木 真(うえき まこと)

株式会社インフォアクシア 代表取締役 UekiMakoto

Webアクセシビリティ・コンサルタント。
Webサイト診断、方針策定、ガイドライン作成、リニューアル支援、教育・研修等を通じて、主に企業Webサイトのアクセシビリティの確保・向上をサポート。
WebコンテンツのJIS規格(JIS X 8341-3)の原案作成にも2004年公示の初版から従事している。
ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)委員長、W3CWCAGワーキンググループメンバー。

アクセシビリティへの想い

「なぜアクセシビリティなの?」と訊かれたら、「だってWebだもの」と答えます。

もう15年くらい前になるでしょうか。全盲の視覚障害者の皆さんが集まるパソコン教室を見学させていただいたことがありました。そこにいたのは、10代の学生さんからおばあちゃんまで10名くらい。皆さん、全盲の方ばかりです。

そのとき、90歳を過ぎたおばあちゃんが、スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)を使いながら一生懸命ホームページの検索エンジンの使い方を習っていました。そのおばあちゃんが失明したのは、90歳の頃。ある病気を患って失明したんだと話してくれました。そして、目が見えなくなって途方にくれたとき、画面読み上げソフトを使えばパソコンを使える、インターネットも使えると聞いて、その教室に参加したそうです。

その当時のホームページは、画面読み上げソフトで操作するのが困難なものばかりでした。そのおばあちゃんとの出会いが、ある意味では自分にとっての原体験みたいになりました。それ以来、アクセシビリティの仕事をしているうちに、いろいろな障害のある人とたくさん出会うようになりました。それまで、障害のある人たちとの接点が全くなかったので、自分にとっては新しい発見ばかりでした。中でもインターネットが使えることによって、日々の生活が大きく変わることに感銘を受けました。Webって、すごいんだなと。Web業界で仕事をしている以上、これは他のみんなにも知ってもらいたい、いや知ってもらわなければという使命感みたいなものもあったかもしれません。

「アクセシビリティ」はこれまで、主に障害のある人や高齢の人のためにと捉えられてきたと思います。でも、もはやそれだけではありません。「マルチデバイス」、「マルチスクリーン」という言葉が示しているように、Webにアクセスするデバイス、画面サイズ、操作方法は実に様々です。ウェアラブルデバイスでWebにアクセスするときは、音声で操作することが当たり前になるかもしれません。いつ、誰が、どこから、どのようにアクセスしてくるか、ますます予想がつかなくなってきました。

そして、利用シーンも多様化しています。状況によっては、画面が見えづらい、音声が聞こえづらい、マウスが操作できない、というようなことが誰にでもありえます。障害や加齢による衰えがなかったとしても、一時的にでもそういう状況でWebにアクセスしなければいけないときがありますよね。そんなとき、特定のデバイスや利用環境でなければアクセスできないとしたら…。

Webは、すごいんです。ものすごいポテンシャルを持っています。そのポテンシャルを自ら損なっているのは、とてももったいないことだとも思うのです。

そういえば、ワタクシ、最近老眼の進行がハンパないです。小さい文字やコントラストの弱い色使いを見たりすると、ガッカリしちゃうんですよね。誰のためにデザインしているんだろう?って。ま、そういうときは黙って他のサイトへ移動しますけど(苦笑)。まだ若かった頃は将来の自分のためにもという気持ちもありましたが、今ではもう明日の自分のためにもという感じになってきました。

そんなこんなで、WebがWebであるためには、アクセシビリティが不可欠だと思っています。そして、いつでも、どこでも、誰もが使えるWebであってほしいなと思います。

見かけに惑わされちゃダメ。 実例で考えるアクセシブルにしたいUXデザイン

PCだけでなくスマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスなど、私たちが利用するデバイス(機器)は多様さを増しています。それに呼応するようにサービスやコンテンツを制作する側も、様々なデバイスや環境に応じたコンテンツ作りが求められるようになりました。 一方で、デバイスの多様さと普及の早さのために適切なデザインが行われなかったり、良かれと思って作ったデザインが実は使いにくいものであるケースも増えてきました。また、障害者の特性を知らないことでそもそもアクセシビリティに配慮できないという落とし穴も存在します。 このセッションでは、一見良さそうに思われるWebサイトのコンテンツやスマートフォン・タブレットのアプリに隠された問題点や、様々なUI(ユーザーインターフェイス)におけるアクセシブルでないケースを紹介することで、あらゆる方にとって「優しいデザイン」や「利用する価値を感じるデザイン」を考える機会にしていただきたいと思います。

高森 三樹(たかもり みき)

エイチピースタイリング 代表
特定非営利活動法人 あおもりIT活用サポートセンター 理事
子どものネットリスク教育研究会 会員

takamori 自治体・企業・団体・個人など多種多様なWebサイトの構築・運用や、ITの活用・仕事・働き方などをテーマにした講演活動などを実施している。
Webアクセシビリティに関する活動では、高齢者や障害者も含めた誰もが使いやすいインターネットの在り方を研究・実践。
自治体職員向けの講演や、青森県庁WebサイトのWebアクセシビリティ・ユーザビリティに関するアドバイザーを担当中。
障害者向けiPad講習会を県内外で実施しているほか、障害者にiPadの使い方を教えられる人材を育成する青森県の事業を担当中。この事業が日本のモバイル業界における最高峰の賞「モバイルプロジェクト・アワード2014」のMCF社会貢献賞を受賞。
ネットいじめやソーシャルメディアの危険性にも注目し、学校関係者や保護者向けにインターネットの活用と問題の両面について講演するなど、Web技術を社会貢献に活かせる方法について日々模索中。

アクセシビリティへの想い

「Webアクセシビリティ、もう一回ちゃんと知ってみよう」
まだWebを生業にする前のこと。会社の同僚が患っていた眼病が、Webアクセシビリティに取り組もうと思ったきっかけでした。

「視覚に障害がある人でも内容が理解できるようなWebサイトを作れば、あの時の同僚がもし視力を失っていたとしても、世の中と繋がっていられるんじゃないか」
「そうすれば家に閉じこもったり孤立せずに生きられたり、色んな道を探すきっかけになるんじゃないか」
「それにはたぶんWebアクセシビリティのことをよく知ってやってみればいいんじゃないだろうか」
「Webアクセシビリティって前から聞いたことがあったし、多少は知ってるつもりだけど、もう一回ちゃんと知ってみよう」
そう考えてからすぐ、Webアクセシビリティについて改めて勉強し直したり、仕事の合間を縫って視覚障害に関する公共施設や、パソコンを使っている視覚障害者の方の話を聞いたり、実際にパソコンを操作する様子などを見せてもらうなどしました。

時は流れてiPadが世の中に出始めたころ「これは障害がある人でも使えるかもしれない」と思い、iPadを買って視覚障害者の方に教えてみたことがきっかけで、聴覚障害や四肢障害など、様々な障害をもった方に出会う機会がありました。そんな活動を細々と続けるなかで、Webアクセシビリティに関係した気付きが色々ありました。

一つは「人に出会って触れ合うことの大切さ」です。 Webアクセシビリティについて基本的なことは知っているというWeb制作者の方はたくさんいると思いますが、実際に障害をもった方がどんな風にWebを使うのか、生の様子を見たことがあるという方は少ないのではないでしょうか。 ビジネス分野でも、サービスを提供する側の論理だけではユーザーの満足や利便性は満たせません。真剣にユーザーのことを考えるのであれば、ユーザーの行動を観察したり、ユーザーに直接問いかけたりなど、ユーザーのことを深く知ろうとする努力が不可欠です。 Webアクセシビリティについても同様で、様々なユーザーがどんなツールを使ってどんな操作方法でWebを使うのか、どんなコンテンツに利便性や障壁を感じるかを直接見たり聞いたりすることで、ユーザーが真に求めるコンテンツの在り方が見えてくるはずです。

もう一つは「健常者の価値観で捉えない」ということです。

視覚障害でいえば「見えないからカメラ機能は使わないだろう」。
聴覚障害でいえば「手話通訳者がいれば聴覚障害のある人とコミュニケーションが取れるだろう」。
いずれの場合も健常者であればつい考えがちな落とし穴です。

スマートフォンのカメラは目の代わりに使える機能や使い方がありますし手話ではコミュニケーションできない聴覚障害の方も大勢いらっしゃいます。 健常者の立場でただ推測するだけでは、様々なユーザーの立場に立ったWebアクセシビリティへの配慮は難しいと思います。そういった誤解をしないためにも、様々な人と出会い触れ合うことが大切だと思います。

Webアクセシビリティは単に障害者や高齢者のためのものではなく、あらゆる人のためのものです。それには健常者ももちろん含まれます。 ただ、Web制作者の中に健常者が多いとした場合、やはりマイノリティへの配慮が疎かになりがちなケースが多々あると思います。

「世の中には自分とは異なった価値観や状況にある人が、実はたくさんいる」 その気持ちと、そのために起こすべき行動の一つ一つの積み重ねが、様々な人と社会の役に立つWebの在り方に繋がると思っています。

時刻 進行 講演者
13:30〜 開場
14:00〜14:50 アクセシビリティを確保する基本の「キ」 ~いつやるの? 今 “スグ” でしょ!~ 植木真
休憩
15:00〜15:50 見かけに惑わされちゃダメ。実例で考えるアクセシブルにしたいUXデザイン 高森三樹
休憩
16:00〜16:50 トークセッション・質疑応答 植木真 高森三樹
17:00 終演

※タイムテーブルは10月14日時点のものであり、予告なく変更する可能性があります。ご了承ください。

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